お気に入りのものに囲まれた暮らしは現実的じゃない?色鉛筆を通して考えた“お気に入りのもの”

私のもの

少し前から、色鉛筆に興味を持ち始めた息子くん。

正確に言うと、色鉛筆を鉛筆削りで削ることに興味津々です。

色鉛筆もそんなに使ってないから削るところもないのだけど、やたらに削りたがるので、危なくないように見守りながら気が済むまでやらせています。

さすがに何回もやっているので、色鉛筆を穴に挿すところとか、手で上を押さえながらぐるぐる回すこととか、回す方向とか、少しずつですけど上達しています。

息子くんにゴリゴリ削られて、どんどん短くされそうな色鉛筆たちですが、実はこれ、私がこどもの頃に買ってもらった色鉛筆です。

今日はそんな私の色鉛筆のお話から。

この記事は、
・お気に入りのものに囲まれて暮らしたい!って思ったけど、無理じゃない?
と、思っている方にオススメです。

 

小学4年生の時に買ってもらった色鉛筆のこと

使いこなせなかった60色の色鉛筆セット

息子くんが現在使っているこの色鉛筆、もともとは60色のセットで、A4サイズくらいの大きさでちょっと厚めのしっかりしたケースに入っていました。

ぱたっと両側に開くことができて、ずらーっと色鉛筆がグラデーションに並び、一本ずつ取り出しやすくなっていました。

この色鉛筆を買ってもらった時、とても嬉しかったことは覚えていますけど、どうして買ってもらうことになったのかは覚えていません。

絵を描いたりするのは好きだったけど、60色もある色鉛筆を使いこなせるほど絵が上手だったわけでもなかったので、正直持て余していたというのか、私にはちょっともったいないくらいの色鉛筆でした。

しかも、その後学生時代に入ってからは、ほとんど使われることがなく物入れの中で過ごし、ときどき使うことがあると引っ張り出して使いましたが、継続して使われることはなく、ようやく出番が来たのは、私が仕事をするようになってからのことでした。

職場で活躍した色鉛筆たち

当時保育園に勤めていて、夕方お迎えが遅いこどもたちを集めてお迎えを待つ遅番の担当が、週に1回くらい回ってきました。

遅番の時には、基本的には園のおもちゃを使って過ごします。

ぬりえやお絵描きをするコーナーも作ったりするので、園の色鉛筆やクーピーを出すのですが、園のものはみんながどんどん使うので、短くなっていたり、色の数も少なかったりで、なんだかなぁ…と思っていました。

それで、そうだ、あの色鉛筆があるじゃないか!と思い出し、ちょっともったいないかな、と思ったりもしたけど、使わない方がもったいないや、と思い直し、この色鉛筆を出してみることにしました。

60色の色鉛筆がずらーっと並んでいるので、こどもたちは大喜び。

小さなこどもたちが使うので、ケースは急激にボロくなったし、色鉛筆が迷子になって本数も減ってしまいましたけど、こどもたちがとても喜んで使ってくれたので、持っていてよかったなぁ…と思いました。

保育園に勤めたのは2年ほどでしたので、その後はまた色鉛筆の出番はなくなってしまい、我が家で静かに過ごすことになりました。

30年経っても使える色鉛筆

ケースはだいぶ痛んだので処分し、色鉛筆の本数も減ってしまったので、鉛筆立てに入れてこじんまりとしましたが今も健在です。

30年以上経つから、さすがにちょっと芯が折れやすくなったかな、とも思うのですが、もともと色鉛筆の芯は普通の鉛筆の芯よりは折れやすいし、こんなものかなと思って使っています。

上にも書いた通り、息子くんが少し前から使い始めているのですが、鉛筆削りでゴリゴリ削っちゃうし、すぐに落としたりするので芯が折れてしまうこともあるし、消耗はだいぶ早そうですが、せっかくなので、どんどん息子くんにも使ってもらおうと思っています。

色鉛筆が30年以上も長持ちしてきた理由

私はこどもの頃から、引き出しの中を整理するのが好きで、小学生の頃は毎週末のように引き出しの中の整理をしていた記憶があります。

そして、わりと思い切りがいいタイプ。

いらないと思えばサクッと処分することができたので、この色鉛筆がなぜここまで残ってきたのか、ちょっと不思議な感じもしています。

この色鉛筆のセットはすごく好きだったけど、実際は使っていない時間の方が長かったし、買ってもらって嬉しかったわりに使いこなせなかったので、どちらかというとモヤッとした気持ちさえありました。

ただ、母に買ってもらったということや、コンパクトになるのでさほど邪魔にはならなかったこと、そしてたぶん、好きだと思っていたわりに、この色鉛筆を使いこなせていなかったから、もったいないと思っていたこと…そんないくつかの理由が重なって、捨てられずに今日まで残ってきたのかな…と思います。

だから、30年間大切に大切に使ってきました、とはちょっと違うのですが。

それでも、縁あって30年以上私の元に残ってくれた色鉛筆。

他のものに買い替えることもできたはずだけど、買い替えることもせずここまできたのは、それなりに私がこの色鉛筆のセットが好きっていう気持ちが根底にあったからかな、と思ったりもしています。

「お気に入りのものに囲まれた暮らし」を羨んだけど…

「お気に入りのものに囲まれた暮らし」という言葉を初めて聞いたとき、そんなことができたらいいよなぁ…って思いました。

でも、お気に入りのものに全部買い替えてたらお金がいくらあっても足りないよ…って正直思ってました。

たくさんのものを処分して片付けをした時にも、この片付けが終わったら、そういう暮らしが手に入るのかな、とちょっと思ったりもしました。

が。そうはなりませんでした。

 

で、最近ようやく気がつきました。

たぶんこれって、1日、2日でできることではないんじゃないかな、と。

たとえ今、気に入らないものをぜーんぶ処分して、自分好みのものにぜーんぶ買い替えたとして…。

それで、「お気に入りのものに囲まれた暮らし」になるのかな、と。

たぶん、そういうことじゃないんですよね。

「お気に入りのもの」って、使いながらその良さを実感し、何年も使ってみて、やっぱりこれがいいって実感して、もしそれが壊れてしまったとしても、次また同じものを買います、って言えるような、そういうもののことを言うんだろうな、と思うのです。

お気に入りになるかどうかは、使っていったその先にわかること

「お気に入りのものに囲まれた暮らし」をするためには、単純に欲しいものを手に入れたり、買い替えたりすればそれでいいわけではないということに気づくまでに、ずいぶん時間がかかったような気がしますが…。

ものと一緒に歳を重ねていき、「あーこれはいい。」って、一つずつ暮らしの中でお気に入りが見つかって、少しずつお気に入りのものが身の回りに増えていく…。

ちょっと想像してみると、けっこう時間がかかりそうだし、めんどくさいのかもしれません。笑

でも、そうやって少しずつ「お気に入りものに囲まれた暮らし」に近づいていくのだとしたら、その過程はとても楽しそうだとも思えてきました。

さて、そういう点から考えて、私の暮らしの中に、現時点でお気に入りと言えるものは、どのくらいあるのかな。

今回、この色鉛筆のことを振り返りながら、これはお気に入りと言えるかな?と考えてみました。

私が小学生の時に買ってもらった色鉛筆を、今息子くんが使ってくれていて、ゴリゴリ削ったり、お絵描きをしたり、ぬりえをしたりして楽しんでいる、そんな姿が見られることに、とても嬉しい気持ちでいるのは確かです。

きっとこうやって、長ーい時間をかけてお気に入りになっていく、そういうものがあるということを、この色鉛筆が教えてくれてるのかな、と思ったりもします。

まとめ

どうやら私の「お気に入りのものに囲まれた暮らし」はまだまだ道半ばのようです。

先は長そうですが、じっくり時間をかけて、私が好きだと思えるものを選び、大切に使っていくことで、いつか「お気に入りのものに囲まれた暮らし」にたどり着けるかな、たどり着けたらいいなぁ…と思っています。

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